バーチャルスライド(VS)による病理アトラス試験公開(肝病理編)

はじめに

病理診断の均てん化のためには、実際の標本を通じて組織学的な特徴を把握することが必要である。特に、希少症例や専門性の高い症例の診断においては、その重要性は非常に高い。従って、こういった症例をバーチャルスライド(VS)化してレファレンスデータベース(RDB)を構築し、手軽に利用できる形式で広く公開することは、さらに各臓器の専門家が監修して解説を加えることによって病理診断の均てん化に大きく貢献すると考える。
 国立がん研究センターとソニー株式会社と共同研究により、高速・高画質で大量の病理スライドをVS化する技術が開発され、これらを用いた大規模データベース(DB)の構築が当施設で行われている。その成果の一環として、VS化した組織標本を診断解説とともに試験公開する。一部は、画像所見・肉眼所見・組織所見を閲覧可能としている。VS化に関しては、対物レンズ20倍(200倍)相当で撮影されている。また、本来はソニーVS専用ビューアー(Play station based)医療用有機ELモニターにより閲覧することになっているが(写真1)、本公開ではWebブラウザで閲覧できるように変換した。

今回選んだ組織VSサンプルは、肝腫瘍の中でもまれな腫瘍である Fibrolamellar hepatocellular carcinoma(FLHCC), Scirrhous type hepatocellular carcinoma (SHCC), 2010年のWHO分類で整理された Hepatocellular adenoma である。この試験公開により、病織診断のための系統的な病理VSアトラス公開するというコンセプトの必要性や問題点を明らかにしてゆく予定である。

(本稿はがん研究開発費 [23-A-35: がん医療の質的向上および均てん化のための診療支援に関する研究] による助成を受けた。)

I.FLHCC 尾島英知 (国立がん研究センター研究所分子病理分野)
II.SHCC 尾島英知 (国立がん研究センター研究所分子病理分野)
III. 肝細胞腺腫 福里利夫 (帝京大学医学部病理学講座)


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アンケート返信先メールアドレス:
国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター
がん診療画像レファレンスデータベース事務局
cir-admin@ml.res.ncc.go.jp

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