Scirrhous type hepatocellular carcinoma(SHCC)

更新日:2013年10月24日
掲載日:2013年10月24日
1.疫学・予後  2.肉眼的所見  3.組織学定義  4.画像所見  5.組織学的問題点

1. 疫学・予後

SHCCの組織学定義は依然曖昧で、病理医間の診断基準にも著しい差が存在していると考えられるため、その臨床病理学的特長も報告者によって異なる。
全肝細胞癌におけるSHCCの割合は、0.5%〜4.6%まで幅広く、予後に関しても、通常型肝細胞癌に比べ有意差をもって予後良好と報告されている一方で、有意差が認められないという報告も認められる。


2. 肉眼的所見

新鮮切除標本では固い腫瘍として触知され、時に癌臍を伴う(写真3)。腫瘍割面は典型的な肝細胞癌のような隆起を伴わず、辺縁は凹凸不整のいわゆる“八頭状”を示す(写真4)


3. 組織学定義

SHCCはその存在や組織学定義が欧米の参考書には殆ど記載されていないのが現状である。原発性肝癌取り扱い規約には『腫瘍細胞索が大量の線維間質によって取り囲まれた構造をとるもの』と記載されているが、腫瘍細胞間に介在する線維組織には、層状の所見はほとんど認められず、腫瘍細胞も異常に大きな核小体は認められない(VS3)。免疫組織学的特長として、通常型肝細胞癌に比べCK7の陽性率が高く抗肝細胞抗体の陽性率がやや低いと報告されている。
SHCCと類似した名称として、Sclerosing hepatic carcinomaやScalloped hepatocellular carcinomaが挙がる。前者は線維性間質を豊富に持つ肝原発腫瘍の総称であり、後者は中心瘢痕と太い線維索を有し割面がFNHに類似した腫瘍のこと(SHCCの一部とは類似性がある)である。


4. 画像所見

腹部造影CTでは、腫瘍細胞に富む領域は動脈優位相で増強効果を示し、門脈優位相〜後期相にかけて徐々に低吸収域へと変化する。一方、線維間質に富む領域は造影時相が進むにつれて、ゆっくりとした遅延性の増強効果を呈する(画像)


5. 組織学的問題点

稀な腫瘍であり病理学的な診断基準が明確になっていないため、組織診断を行なう病理医の間にも診断基準の差が存在していると考えられる。主な組織学的問題点としては、1.どのような組織所見を硬化型とするのか? 2.硬化型の組織所見がどの程度あれば診断医は硬化型と診断するのか?であるが、一定の見解は得られていない。

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