肺CT検診の肺癌:非結節症例「嚢胞を呈した肺癌」

CASE : 0412

診断と解説

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最終診断

Adenocarcinoma, well-moderately differentiated, with extensive cystification

診断と解説

 International Early Lung Cancer Action ProgramのFarooqiらは肺嚢胞の壁の肥厚や肺嚢胞に接する結節を呈する肺癌の頻度を検討した。肺嚢胞に関連する肺癌は、初回検診で診断された肺癌595例中13例(2%)、経年検診で診断された肺癌111例中13例(12%)であったことを報告している(文献1)。それらの合計26例中23例(88%)が、腺癌であった。初回検診で発見された13例の肺嚢胞関連の肺癌では、嚢胞の大きさの中央値は10 mm (幅、5-25 mm)、嚢胞の壁の厚さの中央値は4 mm (幅、1-14 mm)であった。嚢胞の壁の円周における肥厚像の範囲の中央値は240度(幅、60-360度)であった。
 イタリアのCT検診の無作為化比較試験のひとつであるITALUNGの研究でMascalchiらは、経年検診で発見された20例の肺癌のうち、前年のCT検診画像に所見を認めたものは17例であり、それら17例中、肺嚢胞に関連する肺癌は2例(12%)であったと報告している(文献2)。
 オランダとベルギーで取り組んでいるCT検診の無作為化比較試験NELSON trialのScholtenらは、CT検診中に発見された肺癌やCT検診が終了後の経過観察の期間に発生した肺癌61例を検討した。61例中22例(36%)が直前の検診CT画像を見直すと、該当領域に所見を認めた。肺嚢胞に関連する肺癌としては、壁の肥厚を伴うブラの肺癌が5例(23%, [5/22])あったことを報告している(文献3)。
 肺癌CT検診にて肺嚢胞を認めた際は、壁の不均一な肥厚像や、壁に接する結節の有無に注意が必要である。また、初回検診で肺嚢胞の壁が均一で、壁に接する結節がなくとも、経年検診の際に、壁の変化、嚢胞の拡大、および、結節の出現の有無を確認する必要がある。
投稿者: Ryutaro Kakinuma
Kaishi Satomi
施設: National Cancer Center
国: Japan
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